Der Werkbund. Haus der F.

ラトビア出身でオランダを拠点とする現代アーティスト Ola Vasiljeva（オラ・ヴァシリエヴァ）の作品集。
本書はドイツのクレーフェルト美術館が主催するコレクションの再解釈と現代的な再読を目的とした展覧会シリーズ「Sammlungssatellit（コレクション・サテライト）」第3弾の一環として、2019年に開催された展覧会の成果をまとめたもの。
このプロジェクトは、1914年にドイツ・ケルンで開催された歴史的展覧会「Deutsche Werkbund Ausstellung（ドイツ工作連盟展）」の中に登場した「Haus der Frau（女性の家）」に着想を得たものとなる。「Haus der Frau」は当時の女性デザイナーたちが自らの立場を主張しようと試みた独立的な展示空間であったが、モダニズムの歴史や正史的なアーカイブの中ではほとんど注目されてこなかった。
ヴァシリエヴァはこの失われた空間と、そこに込められた女性たちの創造的なエネルギーに対して新たな視点を与えることを試みている。
現代美術と歴史的記憶、ジェンダーと制度、見えないふりをされてきたものを可視化するための創造的な実践が交差する地点に位置する一冊。

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