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ソビエト政権下のロシアで生まれ、8歳の時に両親とともに移住した先のアメリカを拠点に活動を行うロシア人写真家・Irina Rozovskyが、2011年から2016年までの5年の歳月をかけて撮影した、ニューヨークから程近いブルックリンの「プロスペクトパーク」に憩いを求めて訪れ、寛ぐ人々のポートレートをまとめた作品集。本書が生まれたきっかけは、10年近く前に「プロスペクトパーク」の南側に位置する湖を小型モーターボートで周遊しながら公園の様子を眺めているうちに、同じ場所で家族や友人、恋人らが国籍や文化の違いを問わず、皆で同じ時間を共有している様子に胸を打たれたことに遡る。こうした多文化社会のアメリカでは何気ない様子に作者が感動を覚えたのも、閉鎖的なソビエト政権下のロシアで幼少期を過ごした経験が影響を及ぼしている。季節の移り変わりとともに異なる表情を見せる公園の豊かな自然環境の美しさとともに、公園が持つ、人々の心と生活に豊かさをもたらす「公共空間」としての姿も捉えることで、「民主性」と「多様性」という自由民主主義ならではの要素が写し出されている一冊。

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