写真講義【新装版】

イタリアの写真家・Luigi Ghiri（ルイジ・ギッリ）が、晩年に暮らした北イタリアのレッジョ・エミリアにあるプロジェクト大学で、1989年から90年にかけて開いた連続講義の内容をまとめた『Lezioni di fotografia（（邦題：写真講義）』。 2025年に日本初となる回顧展「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」が東京都写真美術館で開催されたことを機に、再販・新装を迎えた。 ギッリが壇上において話した内容が各回の講義ごとに章立てて収録されており、自身の半生を振り返りながらコンセプチュアル・アート（概念芸術）との邂逅について語ったパートや、ギッリ固有の視覚言語の基礎にあるWalker Evans（ウォーカー・エヴァンス）やUgène Atget（ウジェーヌ・アジェ）といった先人の存在に触れながら写真の歴史を遡ったパート、そして撮影におけるカメラの露出や絞りといった技術面についてもギッリが自ら手の内を明かしており、それぞれのテキストに付随する形で図案を合わせて掲載。 ギッリの軽やかで熱意ある語りを通じて、その類まれな視点が生まれた経緯をはじめ、写真が持つ固有の魅力、そして「見る」という行為を通じて得られる楽しさに触れることができる。

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