Analogue: A Field Guide

セレクトショップ「ザ・コンランショップ」の創業者であるSir Terence Orby Conranが創設したロンドンの「the DESIGN MUSEUM」で名誉所長を務める建築史家でデザイン史についても造詣の深いDeyan Sudjicが、[音・視覚・コミュニケーション・情報]の4つの観点からタイプライターやテレビなど250に及ぶプロダクトを分類し詳細な情報とともにまとめた一冊。スマートフォン一台あれば写真を撮ったり音楽を聴き、書籍も電子化が進んだことでインターネットさえあれば自在にアクセスして読むことができるようになった一方で、「所有」という感覚が薄くなったことから、若者を中心に実体の伴うレコードやCD、カセットへと回帰が起きると同時に高まったアナログな製品・媒体への再評価。科学技術の躍進と共に世代交代と淘汰を繰り返しながら生み出されてきたそれらのプロダクトの中には、ドイツのインダストリアルデザイナー・Dieter Ramsが手がけたbraun社のレコードプレイヤー『SKシリーズ』や、イタリアの建築家でデザイナーのEttore Sottsassが手がけたイタリア・Olivetti社のタイプライター『Valentine』など名だたるデザイナーが手がけたものも数多く含まれている。本書ではそうした著名なデザイナーによる作品だけでなく、あまり知られていないプロダクトも同一に取り上げることで、技術革新とデザインにおける潮流の変化に焦点が置かれており、デザインとテクノロジーにおける現在に至るまでの変遷のとその背景を合わせて辿ることができる。

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