SASQUATCH CENTURY

2015年1月から4月にかけてノルウェーの「Henie Onstad Kunstsenter」にて開催された展覧会に伴い刊行された、ノルウェー人フォトグラファー Torbjørn Rødland による作品集。感受性や主観に重きを置く「ロマン主義」を軸に,好奇心やユーモア、そして人工物と自然の対比などを多彩な角度で描く作者の作品は、20世紀の「芸術写真」と21世紀の「広告やソーシャルメディア」の両分野の要素を包含し、古典的な様式ながら近代的な要素も併せ持っている。書籍名である「Sasquatch」とは、未確認生命体「ビッグフット」の祖先と考えられている毛深い人型の生き物を指す言葉であり、神話と現実が入り混じった、身近なようで容易に理解できない存在を象徴とすることで、作者の制作における姿勢が表現されている。キュレーターを務めた Milena Hoegsbergによる序文のほか、キュレーターで美術史や美術理論、美術批評を専門に教鞭を執る Linda Norden による作者の複雑な実践を紐解いた解説も収録。

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