Cosmos – Design from here

起源を138億光年前にまでさかのぼる宇宙に存在するブラックホールや星雲、ビッグバンなどの宇宙物体や現象は、アリストテレスやレオナルド・ダ・ヴィンチらを筆頭に太古から人々の心を捉える魅惑の存在であった。そうして宇宙からインスピレーションを受けて生み出されたものは文学や音楽、絵画、舞台芸術など数知れず、デザインの分野においてもそれは例外ではない。本書は2021年と2022年にベルギーのCID-Grand Hornuでデザイナーやアーティストが制作、発表を行なった宇宙の構造とそれを支配する物理学の法則に基づいて表現した作品を展示した展覧会『COSMOS DESIGN FROM HERE TO BEYOND』に合わせて発売された図録。皆既日食や土星のリングに着想を得た照明や、ブラックホールの形状を取り入れた花瓶など生み出されたデザインはさまざまで、興味を惹かれるものが多く展示された。本書の中のテキストを宇宙研究の第一人者であり、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学の物理学教授を務めるトーマス・ハートグ博士が担当しており、「科学」と「デザイン」の二つのの間で生まれたつながりを通して新たな側面から謎多き宇宙の全貌に迫っている。

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