Pieces of Narratives

東京を拠点に、写真を中心の媒体として扱うアート・コレクティヴ『System of Culture』。
写真の起源まで遡って美術史との接続を踏まえながら、情報に溢れる現代社会の様相を反映した実験的作品を発表する『System of Culture』は、果実や燭台といった静物画に登場するモチーフをはじめ、洗濯用洗剤にグミと、現代的な食料品や日用品も織り交ぜながら両者の関係の整合性を取りつつ場面を構成。
現代ならではの視点と事物によって日常の延長線上にありながらも理解や解釈を超えるイメージを創出し、写真表現の新たな地平を切り拓いてきた。
本書は『System of Culture』にとって初となる一般流通形態での作品集。
その全てが新作「Pieces of Narratives」の31点によって構成されており、作品のほか、新作に触発されて脳科学者・中野信子や文筆家・伊藤亜和、そしてアーティスト・布施琳太郎の計3名が書き下ろした短編小説も合わせて掲載。
利便性や恩恵をもたらすだけでなく、人々の創造性を奪う脅威でもあるAIを、自身の作品のモチーフやロケーションの選定作業の場面で意図的に導入することで獲得した、作家の意図の範疇を超える創造性とその成果を目の当たりにすることができる。
編集は菅付雅信、装丁は出版レーベル・RONDADEの主宰・佐久間磨によるもの。

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