MAISON BELGE: BELGISCHES HUIS

第二次世界大戦後にベルギーとドイツ間の和解と文化交流の拠点として1950年にドイツ・ケルンに建設されたBelgisches Haus（ベルギッシュ・ハウス）は、開館以降時代の変化とともに少しずつ役割を変えながら、文化建築として静かな存在感を持ち続けてきた。
本書では建築写真家Candida Höfer（カンディダ・ヘーファー）が、修復を終えたばかりのベルギッシュ・ハウスの姿を撮影し、歩んできた歴史と記憶を丁寧にすくい上げている。
階段やドア、照明、壁面の装飾や素材の手触りといった建築的ディテールがヘーファー特有の精緻な視線と穏やかな光の中で息を吹き返す。
建築が持つ「社会の記憶装置」としての役割を視覚的に語りかけてくるような一冊。

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