TELETEXT

スイスの書体デザイナー・Adrian Frutiger（アドリアン・フルティガー）が1979年に考案したフォント「キャラクテールTVP（別称：Teletext）」について紹介した一冊。
キャラクテールTVPはフランスの電子機器メーカーのトムソン・シーエスエフ社が、フランス・パリの空の玄関口であるシャルル・ド・ゴール空港で新たに設置する出発と到着時刻の案内表示のための電光掲示板の開発依頼を受けたことをきっかけに、トムソン・シーエスエフ社がそのスクリーン内で表示可能なフォントの考案をフルティガーに依頼したことから生まれたフォント。
シャルル・ド・ゴール空港では1974年の開業当時よりフルティガーが1970年に考案した「アルファベット・ロワシー」が全ての案内表示に採用されていたが、新しい案内標識はその小型さゆえに一つのスクリーンを構成するピクセル数が限られていたことから、「アルファベット・ロワシー」の表示に対応できず、トムソン・シーエスエフ社はフルティガーへの新規発注に至った。
本書ではスイスのチューリッヒ美術館が収蔵する膨大なグラフィックコレクションの中に含まれているフルティガーの手書き資料を頼りに、「キャラクテールTVP」の誕生の裏側を考察。
いかにしてフルティガーは厳しい制約下でありながら、案内表示には欠かせない優れた視認性とデザインの優美さを兼ね備えた「キャラクテールTVP」を生み出したのかについて辿ることができる。

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