Anchor in the Landscape

南アフリカ・ヨハネスブルク出身で、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動を行うAdam Broomberg（アダム・ブルームバーグ）とベルリンとニューヨークを拠点に活動を行う写真家でアーティストのRafael Gonzalez（ラファエル・ゴンザレス）の二人が、暫定自治区パレスチナで撮影した自生するオリーブの木の写真をまとめた一冊。
この暫定自治区パレスチナの人々にとってオリーブの木は、食生活を支える重要な存在であると同時に、収入源となるオリーブオイルを作るために欠かせない経済的な基盤でもある。
しかし隣接するイスラエルからの不法侵入者によってオリーブの実を盗難されたり、中には伐採や放火といった過激な襲撃の被害に見舞われてきたことから、パレスチナの人々にとってオリーブの木は不法入植を仕掛けてくるイスラエル人たちへの抵抗を示す強力な象徴としても大切な存在に位置付けられてきた。
本書には18カ月にわたってブルームバーグとゴンザレスが記録したオリーブの木々の姿を収録。 その多くは樹齢数千年という悠久の時を生き抜いてきた古木であることから、オリーブの木々は幾度となく繰り返される人間同士の争いをずっとその場で根を張り見続けてきた物言わぬ歴史の証人でもある。

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