黒い直方体と交錯するパッサージュ
遠藤克彦
1983年に実業家・美術コレクターとして知られる山本發次郎の遺族より、大阪生まれで30歳という若さでこの世を去った夭折の画家・佐伯祐三の作品を含む574点の作品の寄贈を大阪市が受けたことをきっかけに計画が立案され、のちの1990年に前進となる準備室が開設されて以来、モディリアーニやジャコメッティ、バスキアなど国内外の作家による計6000点の作品を所蔵する関西最大級の美術館として2022年2月に開館を果たした「大阪中之島美術館」。美術館の開設に先駆けて、運営主である大阪市は建物の設計者を選定するにあたり、これまで長期にわたる紆余曲折に苦労した経験に加え、徹底した〈公平性〉と〈透明性〉を貫くべく、建築家や建築設計事務所自体を評価する競争形式の「プロポーザル」ではなく、提案されたデザインそのものを評価する方式である「コンペ(公募型設計競技)」を開催した。そうして最終的に設計者に任命されたのは、当時スタッフ5名という小規模ながら、優れた案を示した建築家・遠藤克彦が代表を務める「遠藤克彦建築研究所」であった。本書は具体性や予算といった様々な観点から鑑みて、これまでの実績ではなく未来への可能性に重きを置いたことで誕生した〈異彩を放つ黒い箱〉が実際に具現化されるまでの軌跡を、実際のコンペ実施要項をはじめ、発注側・使う側・つくる側など異なる立場に位置する関係者9名へのインタビューを通して辿ったドキュメント。公共施設としての機能を備えつつ、建築家としての表現も怠らない、その見事な両者の理想を織り交ぜた折衷案を通して、公共建築と建築家の理想的な関係性を認識することができる。アートディレクションは、大阪を拠点に展覧会のポスターやフライヤーのデザインを中心に活動を行う「シルシ(SHIRUSHI DESIGN FACTORY)」によるもの。
TAG:遠藤克彦,青幻舎
2023年,新品,H224mm x W150mm x D18mm,青幻舎,3^製本^ソフトカバー224ページ
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