【再入荷】SWISS

写真家、そして文筆家としても活動しながら、複数の視点で〈女性〉や〈家族〉について紐解いてきたアーティスト・長島有里枝が、2007年にエスタバイエ・ルラックというスイス西部の小さな町にあった「Village Nomade」主催のレジデンシープログラムに参加した際に撮影した写真と、滞在期間中に綴った日記の内容、さらに移動の際に使用した航空券や列車のチケットをスクラップブックのように織り交ぜた一冊。
2011年の第二版以降は長らく絶版となっていたが、この度13年ぶりの重版を迎えた。
レジデンシープログラムでスイスを訪れる少し前、庭づくりに熱心に勤しんでいた亡き祖母が25年前に撮影していた花のカラー写真を収めた小さな箱を発見した作者は、箱へと収められていた写真一枚ずつを目にしながら祖母が花や植物へと注いでいた眼差しを追体験するとともに、時を経てもなお残る祖母の花へと向けた慈しむ心の存在に驚かされた。
本書にはこの出来事をきっかけに前述の「Village Nomade」で亡き祖母に思いを馳せながら撮影した植物の姿をはじめ、一緒に連れ立ってきた息子や、滞在中に過ごした室内の様子を収録。
写真と日記を合わせて読み進めていくことで、その当時の作者の心の機微を感じ取ることができる。
装丁はデザイン事務所「文平銀座」の寄藤文平と鈴木千佳子の二人によるもの。
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