Taste and Place The Design Hotels Book

レストラン業界を起点に、ホテル業界においても広がりつつある周辺地域の風土や歴史、文化的背景を踏まえて、地元の農林漁業で収穫される食材を用いた料理を生み出す「ローカルガストロノミー」は、地域に根ざした経営が行える上に、遠方から食材を輸送するコストだけでなく、排気ガス（二酸化炭素）の削減にも繋がるため、二酸化炭素の排出量ゼロを目指す「脱炭素社会」の実現の一つの手法として現在注目を集めている。本書はそうしたその場所でしか味わうことができない固有の新鮮な食材や調味料を用いた料理を提供している世界各地の革新的なホテルを一流の作家や写真家らが訪れ、料理やキッチン、ダイニングルームの枠を超えて、食や地域性、さらに食材の産地と生産や建築といった要素が織りなす全体のつながりを探求した一冊。取材はギリシャの地中海に浮かぶクレタ島やイタリア、スイスをはじめ、新潟県南魚沼市にある『里山十帖』など世界各国で行われている。中には現在戦争の影響で休業を余儀なくされているウクライナの首都キーウにあるブルサホテルも登場。本書の売上の一部は戦争が終結し、再びテーブルを共に囲いながら食事や会話を楽しめる日が1日でも早く訪れることを願って、ウクライナの人道援助活動基金へと寄付が行われている。

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