Back to Back. From Backyard to Boulevard

アメリカ西海岸のイーストロサンゼルスに暮らすメキシコ系移民で構成された通称「チカーノ」と呼ばれるコミュニティーを中心に、第二次世界大戦後の1950年代に発展を遂げた、自動車改造のスタイル〈Lowrider〉について取り上げた一冊。この〈Lowrider〉のスタイルは、新車を購入する経済的余裕がなかった「チカーノ」たちが、安価な中古車を購入したのちに、新車に負けじと、ホイールを交換したり、車体を艶々の煌びやかな派手な色に変えてピンストライプの塗装を行うなどの様々な改造を施していった結果生まれたもので、当時の裕福な白人たちがいかに早い速度を出せるかを競う競技『HOT rod』に熱中していることに対抗して、「チカーノ」たちはいかにゆっくりと、そして優雅に走れるのかを目指して改造を施していった。そうして生まれたのが〈Lowrider〉を象徴する、自動車の車高を地面スレスレから、天高くまで自由自在に上げ下げ可能なシステムである「油圧式ハイドロサスペンション」の導入である。本書にはそうした改造を施された〈Lowrider〉スタイルの自動車を中心に、その周辺の文化についても紹介が行われており、その唯一無二のスタイルと魅力を目の当たりにすることができる。

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