Out Of Style

グラフィック・デザイナーで写真家の橋本すみれが、1990年から約20年の期間、渋谷区外苑前に存在したノンジャンルの中古雑貨店『Out Of Style』に魅了されて撮影した記録写真75点を収めた写真集。ここの店主であった広瀬良二は、店頭に立つ中で古物を用いたオブジェの制作を閃いたことをきっかけに、次第と軸足が造形活動へと移り、現在はオブジェだけでなくコラージュやドローイングなど様々な作品制作に取り組む作家へと変容を遂げた。今はなき仄暗い空間でぼんやりと温かな光を放つ照明と、その光を浴びるオブジェたち。それらの要素が異彩を放つ唯一無二な店内を捉えた写真からは、フィルムで撮影されていることも相まって、ノスタルジックな空気が漂っている。巻末には店主自身が人生の転機となったこの店舗への思いを綴った寄稿「仄かなOut Of Style」と、橋本すみれがこのお店との出会いと写真集を出版するまでの経緯、そしてこの本に込めた思いを語った「甦る記憶が明日を照らすとき」の二本立てで収録。

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