Casimir

ベルギーの家具デザイナー、Casimir Reyndersについて4人の専門家がそれぞれの分野に基づく観点から異なる角度で作品に焦点を当てた作品集。 ベルギーのケルセルで生まれ、SHIVKVゲンク（ベルギー）で工業デザインを学ぶも、工業製品のデザインは自分に合わないと感じ、以降は家具のデザインに関する勉強を始めたカシミールは理論と技術、そして創造性を組み合わせて自らの手を動かして物を作ることを好み、卒業後には無垢材家具の製造における高い基準を満たすために自身の工房「 Casimir Ateliers」を設立した。 本書においてフランシス・スメッツは作品を家具芸術として捉えて考察を行い、マルク・ホルトホフはカジミールへの複数のインタビューに基づいた推察、そしてヴァージニア・タッシナーリは文化哲学的な観点からカジミールの重層的な作品について書き、フレディ・フローレは文化史的な観点から作者の家具作りについて考察が行われており、複数の視点から作者の人物像とその作品群について論考されている。そのほか、アクセサリーから家具、小さなシリーズから限定品まで70点以上の作品を紹介しており、多岐に渡る作者の手で生み出された作品を通して、グラフィック的にも技術的にも脱構築の見本であることを示した一冊。

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