Linda Molenaar – Out Side In Side Out

オランダのビジュアルアーティストでパフォーマーでもあるLinda Molenaarの過去25年間の作品をまとめた作品集。人間に秘められた原生的な動物に近い側面と、動物に秘められた人間に近い側面とを結びつけている作者の作品は、弦の部分を人間の髪の毛で作ったチェロや、何百足もの履き古されたバレエシューズで作られたチュチュ（バレエの舞台衣装）に、1000個のピアノハンマーで作られたグランドピアノなど、思いもしない材料を組み合わせることで形作られており、「共生と自律性」や、「生と死」など人生の中で向き合うことを避けては通れないテーマが込められている。そんな作品に用いられる材料は、人間や動物のあらゆる種類の異なる物体や要素であり、義肢やその他のアクセサリーと組み合わせたり、解剖して縫い付けるなど頭で考えるだけではなく、実際に手を動かすことで生み出されており、これは本物か偽物か、はたまた動物なのか人間なのか、死んでいるのか生きているかさえも分からない作者独特の世界観が作品から醸し出されており、強く惹きつけられる。

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