The Potemkin Village

実態を隠すために作られた、見せかけだけの施設などを「ポチョムキン村」と呼ぶことがある。 この語は1787年、ロシアのエカテリーナ2世のクリミア視察の際に、ポチョムキン将軍が行く先々の村々を飾り付けてハリボテの町を作ったことに由来する。
オーストリアの写真家・Gregor Sailerはこの逸話にインスピレーションを受け、世界中の現代の「ポチョムキン村」を探し求めてカメラに収めるプロジェクトを始めた。
本書には、ニューヨークに似せて作られたスウェーデンの自動車テスト施設、ヨーロッパの都市を忠実に再現した中国の都市、アメリカやヨーロッパの戦闘訓練用の町など写真が含まれている。
人工的な空間にもかかわらず、人がほとんど写っていないことで幻想と現実の境界線が曖昧になり、次第にその不気味さに魅了されていく一冊。

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