消滅した時間 Where Time Has Vanished
奈良原一高
写真家・奈良原一高が、1975年に朝日新聞社より刊行した写真集『静止した時間』の復刻版。
奈良原が1970年から74年にかけてアメリカ合衆国で滞在期間中に撮影していた作品を収録する。
早稲田大学大学院で美術史を専攻しながら、池田満寿夫をはじめとする新鋭画家のグループ「実在者」にも所属して美術評論家の道を志していた奈良原は、長崎市沖に浮かぶ石炭採掘のための人工島・端島(通称:軍艦島)と、鹿児島県の桜島噴火により火山灰で埋もれた集落・黒神村の隔絶された二つの場所の光景に衝撃を受けて記録した写真をもとに初個展『人間の土地』を開催。
この個展が当時の写真業界を中心に大きな反響を呼んだことで、奈良原は美術評論家志望から急転直下に写真家としてデビューを果たした。
そして1958年には二度目の個展『王国』を開催したほか、翌59年には川田喜久治や東松照明をはじめとした若手写真家6人とともにセルフエージェンシー・VIVOを結成し、61年にVIVOが解散したのちは日本を離れてパリを拠点に活動。
帰国後の1967年にはヨーロッパ各地を3年間巡って撮影した成果をまとめた写真集『ヨーロッパ・静止した時間』の発表を経て、奈良原は次の滞在先として本作の舞台であるアメリカ合衆国を選んだ。
そして奈良原は渡った先のアメリカの地で写真家・Diane Arbus(ダイアン・アーバス)によるワークショップに参加したほか、ニューメキシコで暮らす先住民の自然観をはじめとする思想との接触、そしてエネルギー資源の転換で役目を終えた炭鉱跡と周囲の廃墟など、多くの人物や事象と遭遇。
その過程の思索で研ぎ澄まされた奈良原の眼差しは、まるで別の惑星に降り立ったような非現実性を伴いながら、宇宙的な時間感覚や自然の原理を写し出している。
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2025年,新品,H293mm x W235mm x D15mm,復刊ドットコム,3^製本^ハードカバー242ページ
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