James Rosenquist: Painting as Immersion

1950年代後半から60年代にかけて発展を遂げ、それまでのアート界やグラフィック文化における常識を覆した「ポップアート」の創始者の一人として知られるアメリカの画家・James Rosenquist（ジェームズ・ローゼンクイスト）の作品集。 仕事として指定された図案通りに様々な場所で街頭広告や看板を描く中で、同じ図案であってもその大きさによって鑑賞者に異なる印象がもたらされることを発見したローゼンクイストは、雑誌や新聞の広告などから切り取ったイメージをコラージュに仕立てたのちにそのまま拡大し、大型キャンバスやインスタレーションへと変容させることで、「ポップアート」の源流に行き着いた。 本書では、そのローゼンクイスト独自の制作手法について紐解くとともに、ローゼンクイストの代表作と知名度の低い作品を一緒に並置することで、商業主義にまつわる題材だけではない文化的・政治的な意思の存在を明らかにされており、合わせて掲載のエッセイではローゼンクイストの生涯と作品をはじめ、その技法やのちの芸術界への影響についても考察。 ローゼンクイストによる作品とその題材が半世紀以上を経た今もなお輝きを放ち続ける所以が示されている。

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