Molecular Typography Laboratory

イスラエル・テルアビブを拠点に、デザインや研究、キュレーションと多岐にわたる活動に取り組むKobi Franco（コビ・フランコ）が独自に編み出したデザイン理論「molecular typography」を明らかにした一冊。
「molecular typography」とはフランコがラテン文字とヘブライ文字に共通して存在する分子的な構造から得た着想に基づいて、アルファベットをはじめとした他言語に応用する可能性を模索し体系化した理論で、フランコはこの理論の発表をきっかけに、ニューヨーク・タイプ・ディレクターズ・クラブ（TDC）の選考で優れたタイポグラフィの作品に与えられる「Certificate of Typographic Excellence」の受賞者に選出された。
ここでは「molecular typography」の理論を構築する主要な11のテーマ（基盤・言語・ジェンダー・数式・重さ・立体・重力・生成的研究・色・言葉遊び・書体とイメージの関係）に関する解説を中心に、この11のテーマを導き出すにあたってフランコが実施した150回以上のテスト結果と、それぞれのシュミレーション時に設定した規律と枠組みに関する詳細を掲載。
さらにフランコがこれまでに研究を通じて洞察を深めてきたタイポグラフィの歴史や文化にまつわる4つのエッセイや、「molecular typography」に基づいて作成されたアニメーションを鑑賞できるサイトへのリンクも本書には付属しており、デザインや科学、そして言語の壁を越える可能性があるフランコの画期的な取り組みを読み解くことができる。

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