Drawing the Atelier

ブランディング・エージェンシー「BIGLONG」の代表である大長将之と、「FRITZ HANSEN」や「TEKLA」といったデンマークの企業を中心にコンサルティングを手がける相澤真諭子の夫婦が共同で運営する『KIGENZEN』のアトリエで、写真家の原田教正が記録した写真をまとめたビジュアルブック。
東京・青山のみゆき通りで1975年の竣工当時より変わらぬ外観を保つ、商業・オフィス・住居が一体となった複合商業施設「フロム・ファースト・ビル」のかつてプロダクトデザイナーの深澤直人が入居していた区画で構える『KIGENZEN』のアトリエは、Poul Kjærholm（ポール・ケアホルム）によるダイニングテーブル・PK54を中心に、Dieter Rams（ディーター・ラムス）のレコードプレーヤーや、日本の民具・うなぎ掻きなどをはじめとした夫婦の審美眼で選び抜かれた家具とオブジェによって設えられており、開口部の広い窓からは、季節や天候とともにうつろいを見せる豊かな自然光が差し込む。
本書では『KIGENZEN』のアトリエの織りなす光景が、デザインにも造詣の深い原田教正の眼を通じて捉えられており、色彩を排して形態を浮き彫りにするモノクロを基調としながらも、時折差し込まれる鮮やかな色がこの空間の魅力とその固有性を視覚的に訴えてくる。
編集は大長将之、装丁はデザイナーの須山悠里によるもの。

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