Nomad Archive 02

スペイン出身の写真家・Alberto García-Alix（アルベルト・ガルシア・アリックス）による写真集。 アリックスは、ヨーロッパの政治情勢に大きな影響を与えたスペイン内戦後に政権を握ったFrancisco Franco（フランシスコ・フランコ）による30年以上に及んだ独裁政権が1975年のフランコの死去によって終焉し、スペインが急速に民主化を迎えた時期に写真をはじめた写真家で、1999年にこの当時記録していた膨大な写真群に対して「スペイン国際写真賞」が授けられたことをきっかけに一躍世界でその名が知られるようになり、現在ではヨーロッパの写真史における重要な人物の一人に数えられている。 ここではフランコが死去して独裁政権から急速に民主主義への転換が進んだ1975年から1981年までの期間に撮影されたそのほとんどが初公開となる2154点の写真が700ページ以上にわたって収録。その中には『スペインの奇跡』と称されるほどに順調に進んだ独裁政権から民主主義への移行、そしてその民主主義への移行が本格化するにつれて独裁政権下では抑圧される対象であった音楽や演劇、映画などの芸術分野が自由を取り戻し、様々なアーティストらが意欲的に創作へ取り組んだことで生じたムーブメント『La Movida Madrilena（マドリッドの喧騒）』の黎明期をはじめ、様々な側面からガルシア・アリックスが捉えた当時のスペインの内情を収録しており、当時のスペインの人々が長年待ち望んだ自由を手にした様子などを窺い知ることができる。

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