Guy Bourdin for Charles Jourdan

緻密な配置をした上であえて偶然性を取り入れる独自の構成とその鮮烈な色彩から、構成と色彩の魔術師と称されるフランス・パリ出身のファッション写真家・Guy Bourdan（ギイ・ブルダン）が、フランスの女性向けシューズブランド・Charles Jourdan（シャルルジョルダン）の広告のために撮り下ろしたものをまとめた作品集。
無意識や夢といった非現実的な世界を描く「シュルレアリスム（超現実主義）」の画家として活動を開始したブルダンは兵役中に写真と出会い、この兵役を終えたのちにシュルレアリスムの世界を絵画や彫刻、写真と様々な分野で追求していたマン・レイのスタジオで弟子として従事。そして『VOGUE』で編集長を務めていたエドモンド・シャルル・ルーに出会ってからは、シャネルやイッセイミヤケ、そしてシャルルジョルダンと、1991年に62歳の若さでこの世を去るまでに様々なファッションブランドやファッション誌の撮影に取り組んだ。
本書ではこれまでその多くが未公開であった150枚以上の写真を通して、ブルダンと創業者でありデザイナーのシャルル・ジョルダンが1976年に亡くなるまでの間に協働で生み出された創造の軌跡に着目。
モデルではなくマネキンの足のみを置いて撮影したりと「シュルレアリスム」を基調とした既成概念に囚われない独自の表現を追求したブルダンと、その先鋭的な表現を受け入れ広告に採用し続けたジョルダンの二人だからこそ生み出された、どこか不穏で蠱惑的、そして艶麗な独自の世界に浸ることができる。

TAG：Patrick Remy,Rizzoli