I Saw a Tree Bearing Stones in the Place of Apples and Pear

ポーランド出身で、現在はオランダ・ハーグを拠点に活動するアーティストで写真家のEmilia Martin（エミリア・マーティン）が、写真を通して隕石にまつわる世界各地の伝承や神話の解明に取り組んだ一冊。
現在では約45億年前の太陽系形成初期に原始惑星の材料の一部として生成されて宇宙を漂ううちに地球の引力に捕まって大気圏へ突入し、落下運動による高圧や高熱に耐え抜いて地上に落下したものとして科学的に解明されている隕石であるが、その正体が不明だった18世紀以前は、崇拝の対象や天からの恵み、さらに神の怒りや悪魔のいたずらなど、時代や地域によって隕石は異なる様々な解釈を受けてきた。　
ここでは隕石が地表に衝突して形成される円形の窪み「クレーター」や、かつて信仰の対象として祀られていた隕石へ足を運んだほか、隕石コレクターへの接触、さらに隕石が成層圏で燃えゆく流れ星の状態を観測し写真に収めた記録などを収録。
約45億年という途方もなく長い年月を宇宙で過ごして地球に落下した隕石と、まだ約700万年と短くも目まぐるしい発展を遂げてきた人類の間で交わされてきた関わりとその神秘についての物語が、静謐で奥行きのあるモノクロームによって描かれている。
表紙と裏表紙に採用されているイラストは、イギリス・ロンドンを拠点にイラストやヴィジュアルデザインを手がけるアーティスト・Mattia Ammirati（マティア・アンミラーティ）によるもの。

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