そこ一里 #00
嶋田篤人
故郷の千葉県・房総半島を舞台に、焦点距離50mmに時折55mmを挟みながら、同じフィルム、そして現像、プリントと、固定化された工程を繰り返して写真家・嶋田篤人が制作を続けるシリーズ『そこ一里』のうち、2021年にリコーイメージングスクエアにて展示した作品をまとめたもの。なお本書は印画紙への手焼きするならではの階調の豊さや粒子感はプリントでしか表現し得ないという考えから、写真集ではなく作品図録という位置付けになっている。
私は房総半島で写真を撮ることが好きだ。
ここは私の生まれ故郷である。
海に囲まれた終わりある道、だだっ広い九十九里平野、低い山並みは雪化粧もしない。
そうした象徴性に乏しい風景が、私にとって親しみ深い故郷の姿だ。
しかし、レンズを通して向き合うその土地は何度訪れても新たな趣をみせる。
目の前にある光景と、私の意識や認識。
ファインダーを静視していると、それらは常に移ろいゆき、何一つ固定されていないことに気がつく。
その時間の中に身を置く時、私の内には写真を通したもう一つの故郷が立ち現れ、
まるでそこは辺境のように、まだ見ぬ土地として広がり続ける。
だからこそ、私にとっての房総はどこまでも撮り尽くすことがない。
そこは身近な土地であるのに、その旅は「そこ一里」に騙されたように終わりなき道が続く。
また、私はそれをプリントに留めたいと考える。
土地という質量のあるモノへ、同じく質量のある感光材料を用いて対峙する。
直接関係の無いモノ同士が、暗室で共鳴する静かな緊張。
私はそこに、まだ見ぬもう一つの土地を感じる。
TAG:嶋田 篤人,Self Published
2025年,新品,H182mm x W200mm x D8mm,Self Published,3^製本^ソフトカバー 76ページ
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状 態 ( 状態ランクについて )
- A. 使用感が見られず、傷・汚れのない良好な状態です。
- B. 使用感はあるが、傷・汚れのない比較的良好な状態です。
- C. 経年並みの使用感や、傷・汚れがある状態です。
- D. 大きく目立ったダメージ・汚れが見られる状態です。
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