THE MUSEUM IS NOT ENOUGH NO.1-9 / SKWAT [JAPAN LIMITED EDITION]

東京を拠点とする芸術家と思想家の集団・SKWATが主宰するプロジェクト「SKWAT/NOT ENOUGH」の一環として刊行された、『The Museum Is Not Enough』創刊号にデザイナーの柴田賢蔵による帯に加えて、抄訳を随所に差し込んだ日本国内限定版。『The Museum Is Not Enough』は、カナダ国内だけでなく伊東豊雄をはじめ国外の建築家による図面や模型をはじめとした資料を数多く収蔵しているカナダ・モントリオールの建築ミュージアム「カナダ建築センター（Canadian Centre for Architecture・略称：CCA）」が、既存の年間活動報告書を置き換える形で2019年より発行を開始したもの。ここでは来館者数などの業務実績は一切掲載せずに、現代の建築や都市、文化施設ならびに研究機関が抱えている課題包み隠すことなく赤裸々に明かしており、建築を通して世界を知り〈新たな選択肢〉を見つけるという共通目的を軸に、それぞれ異なる角度から捉えた「ミュージアムの定義」や「現代における建築の役割」をはじめ、「文化施設におけるデジタル化の影響」、「展覧会のキュレーション・ストラテジー」に「アイデアの源としてのアーカイブ」、「アート教育の必要性」など9つの章で構成されている。建築ミュージアムとしての責務を遂行すると同時に、カナダ国外のブエノスアイレスや東京などの都市に一時的な研究拠点を置く「CCA c/o」プロジェクトをはじめ、ホームレス問題を題材にした短編映画製作など既存の枠組みに囚われない独自の取り組みを展開してきた同施設らしさが際立つ一冊。

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