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パレスチナ出身のスウェーデン人アーティストで、現在はフランス・パリを拠点に活動を行うTarik Kiswansonが2022年2月から5月にかけてスウェーデンの美術館「Hallands Konstmuseum」で開催した展覧会に伴い刊行された作品集。かつて1970年代に両親が祖国のパレスチナからスウェーデンへと亡命したという背景から二世移民にあたる作者は、彫刻やパフォーマンス、ドローイングにサウンドやビデオ作品、さらに執筆など多様かつ横断的な表現を用いることで、様々な角度からかつて自身の両親が受けた〈強制移動〉、そして〈追放〉をテーマに製作を行なっており、2023年にはフランスの現代アートシーンの国際的な促進を目的に「フランス現代美術国際化推進会（ADIAF / Association for the International Dissemination of French Art）」が主催する賞『Marcel Duchamp Prize』のファイナリストに選出された。本書では展覧会で展示された作品についてを中心に、作者の制作における多様性について考察が行われており、移民一世の中で何が失われ、何を得られるのかについて深掘りが行われている。

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