OUTRO LADO

2020年にデザイナー・大江マイケル仁がスタートした、ラテン語で「愛称」を意味するファッションブランド『COGNOMEN』。世界に溢れる多文化を縦断し、新たに無国籍な世界観を生み出すことを目標に掲げる本ブランドは、初めてランウェイショーを開催するなど現在注目を集める存在である。本書はさらにこのブランドの精神性に触れる新たな接点となることを目指して生み出された2024秋冬コレクションのフォトブック。撮影場所はかつてデザイナー自身が高校時代に留学した経験もあって、ブランドが目指す理想像「多文化共生」を達成していると語る国ブラジル・リオデジャネイロの街中で行われており、フォトグラファー・西川元基がシャッターを切っている。いかにしてブラジルは多文化共生の地となったのか。その背景にある一年半という短い期間ながら、建築家や芸術家など多くの表現者らが団結し、文化の急速な発展を遂げるに至ったムーブメント「トロピカリア」についても深掘りが行われており、リオデジャネイロが一番盛り上がるイベント「リオのカーニバル」が近づいていたことも相まって、その文化的背景と市中の人々の熱気が共に籠もっている一冊。

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