SWITCH Vol.41 No.12 特集 すばらしき映画人生！ ヴィム・ヴェンダースの世界へ

日本財団が主催となって、渋谷区に点在する公共トイレを安藤忠雄や片山正通など世界で活躍する16名の建築家やデザイナーと共にリノベーションを行なったプロジェクト「THE TOKYO TOILET」（以下TTT）を起点に生まれた映画作品『PERFECT DAYS』は、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、主演を務めた役所広司が最優秀男優賞を受賞したことで日本国内だけでなく、世界的にも大きな話題を集めた。では果たしてこの映画はどのようにして生まれたのか。この背景を紐解くべく、今回監督を務めた「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダースと、主演・役所広司へのロングインタビューを軸に、ダンサーの田中泯など主要キャスト陣から得た証言や、TTTの発起人で、本作の企画・プロデュースを務めた柳井康治とプロデュース・脚本を務めた高崎卓馬の対談、さらに本作品に大きな影響を与えた『東京物語』で知られる映画監督・小津安二郎や名役者・笠智衆の存在についても触れられており、総計76ページにわたって『PERFECT DAYS』が完成に至るまでの全軌跡を辿っている。また誌面掲載の写真を写真家の森山大道や繰上和美が担当しており、その上質な写真と合わせて本作品の誕生背景に踏み込める、充実の内容が凝縮された一冊。

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