ITALIA IN MINIATURA

Stephen Shore や William Eggleston と並んで、「ニューカラー」のパイオニアの一人としてその名が挙げられるイタリアの写真家 Luigi Ghirri による作品集。本書には1970年代後半から1980年代半ばにかけて、イタリアの北東部に位置するエミリア＝ロマーニャ州リミニにあるイタリアの主要な景観や建築物の縮尺模型が並ぶ人気の観光地「 Italia in Miniatura 」の敷地内で、故郷イタリアの風景に思いを巡らせながら撮影された一連の写真が収められており、鳥瞰で捉えたり、小人になった気持ちになってローアングルから捉えてみたりと、作者ならではの巧妙さと、どこか無邪気な遊び心の両方を堪能することができる。加えてパークの創設者でデザイナーの Ivo Rambaldi が取材のために徹底的にイタリア全土にわたって行った旅行の中で制作された地図やスケッチにコラージュ、そして写真も Ghirri の作品と対象になるように配置されており、ミニチュア化の可能性と逆説の類推的な深い考察が繰り広げられている。キュレーターで作家の Simon Garfield による書き下ろしのエッセイのほか、編纂に携わったコンセプチュアルアーティストでフォトグラファー、そして理論家である Joan Fontcuberta が、Ghirri と Rambaldi のパークとの出会いに呼応して撮影した一連の写真も収録。

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