010 - Mirko Saviane

Setanta Booksが2020年にスタートした、新進気鋭の若手写真家一人に焦点を当てて隔月で発刊しているZINEシリーズ。ロンドンの現代写真プラットフォームの一つである「Open Doors Gallery」とともに企画を進められており、現代写真の最前線を感じることができる。毎号ごとに変わるカラフルなカラーの特徴的な装丁は、まるでその写真家ごとの作風の違いを表しているかのよう。その扉を開くような装丁から、あなたの本棚に新しい彩りを加えるお気に入りの作家との出会いがあることを祈って。毎号限定300部。 今号で取り上げられているのは、イタリアのヴェネツィアにほど近い小さな島「ブラーノ」を主な撮影地として活動を行う写真家Mirko Saviane。作者が活動する島「ブラーノ」は、「世界で最もカラフルな都市トップ10」の中に含まれる場所であり、その姿を一目見ようと世界中から多くの観光客がやってくる。その一方で、作者はこの場所の本質的な美しさと非観光地的な側面を示すことを目標に掲げており、写真を通してこの島の新たな魅力を発信している。かつて画家を志していた作者ならではの町を彩る色を掬う色彩感覚と、影やシルエットを巧みに組み込んだ絵画的な構図が組み合わさった写真が深く印象に刻まれる一冊。

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