La Tierra Baldía

20世紀初頭を代表するイギリスの詩人 T・S・Eliot の1922年発表の代表作『荒地』に敬意を示して生まれた、スペイン・マドリード出身の自然写真家 Fernando Puche による作品集。作者が着想を得た長詩『荒地』は、第一次世界大戦による大惨事とその荒れ果てた世界を目の当たりにした時に感じた憤りが込められた作品であり、本書はこの概念を継承する形で「戦争」というテーマを「戦争」同様に地球全体の共通課題である「気候変動」へと差し替えることで、雨が降らず水不足でひび割れた大地や切り拓かれた山肌の様子など、「荒地」の様子を撮影した写真が収められている。文学に詩と写真、さらに感情や理論を交差させることで生まれた、人類の営みによって荒廃した自然の姿を目の当たりにして感じた作者の怒りや問題提起の思いが込められた一冊。

TAG：Fernando Puche,Ediciones Posibles