Sedimental Journey

ベルギーのアントワープを拠点に活動を行う彫刻家Filip Vervaetの展覧会が同じくアントワープのPLUS -ONE Galleryにて開催されたことをきっかけに発行された作品集。石膏や青銅、石などの古典的な原材料を用いて、まるで自然が生み出したかのような不規則で歪な造形を生み出している作者の作品は、自然と人工の領域の間に位置する存在であるとともに、美術史と彫刻の伝統に敬意を払いつつ加えられた現代的な表現によって、新鮮さと静けさに満ちた世界観が生み出されている。さらに最近の展覧会の会場では、大量の砂や石を床に敷き詰めたり、カラフルな遮光カーテンで作品の背景を彩ることで、それぞれの作品を際立たせると共に、鑑賞者をより自身の世界観へと没入するような仕掛け作りも実施しており、その効果的な演出手法の引き出しの多さでも注目を集めている。作者とその作品についての解説をキュレーターで美術史家のPàdraic E. Mooreが行い、撮影の担当は写真家でデザイナー、ビジュアルアーティストのPieter Huybrechtsによるもの。

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