Salt of the Earth

ビジュアルアーティスト、そして写真家として活動を行うBarbara Boissevainによる作品集。人間の活動が環境に与えている影響を探り、その後自然がどのように自己回復していくのかをテーマに作品を生み出している作者が今回注目したのは、人間が生きていく上で欠かせない「空気・水分」に並ぶ物質である「塩」の採取について。カリフォルニア州サンフランシスコでは1800年代から人工の塩田を築いて塩の採取が行われており、その広大な塩田はそれぞれの塩水に生息している藻や微生物の影響によって様々な色に彩られるのだが、その色は常に一定ではなく、塩分濃度が濃くなるにつれて緑色から赤色へと変化を遂げる。作者はこの塩田を実際に訪れて、人間の活動によって変更されたことで生まれた特異的な風景の様子をより強調するため、足元の視点から空撮による鳥瞰まで、幅広い視点で撮影を行なっている。そうして生まれた視覚的な面白さのある作品をきっかけに、切迫している環境問題に対する意識を高め、少しでも多く環境問題に対して関心を持つ人口が増えて、これから何世代にもわたって環境保全に積極的に参加する世界が実現することを願っている。

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