Phenomena

本書は「UFO神話とは何か？」という共通の興味を持っていたデンマークの首都コペンハーゲンを拠点に活動するSara Galbiati, Peter Helles Eriksen, Tobias Selnaes Markussenの3人の写真家が、UFOの目撃情報の多いアメリカ合衆国・ネバダ州やニューメキシコ州、アリゾナ州を訪れ、この好奇心を掻き立てるUFO神話の背後にいる人々や場所に真剣に向き合い、現代の「ET」や「UFO神話」に関する調査やデータを通して、「人間の信仰の必要性」を検証したもの。 ここで登場するのは宇宙で何人もの子供を産んだという女性や、「トールホワイト」と呼ばれる人型の地球外生命体と生活を共にしたと信じる男性に、UFOに誘拐されたと主張する人たちのポートレートやインタビューが含まれており、時にあり得ない話だと感じられる話も飛び出してくるが、ジャーナリストとして中立的な態度で彼らに敬意を払いながら、人類学的な角度から真相に迫っている。もしUFOが本当に存在するのならば、人間が宇宙に存在する唯一の生命体ではないのだということであり、敵なのか味方なのか、コミュニケーションを取ることはできるのか、謎は深まるばかりである。ナスカの地上絵からマヤ文明まで確かに考古学的資料に残る痕跡から辿るのではなく、現代のいま生きる人々から「UFO」を辿った斬新な一冊。

TAG：Sara Brincher Galbiati,Peter Helles Eriksen,Tobias Selnaes Markussen,Andre Frere Editions