Alex Katz: Flowers (Galerie Thaddaeus Ropac)

Alex Katzの作品集。本書はソウルの現代美術のギャラリー「タデウス・ロパック（Thaddaeus Ropac）」で開催された展覧会に伴い刊行された。本展は Katzが花を描いた作品シリーズをアジアで初めて展覧したもので、花のシリーズの中では初公開となる作品や、植物を背景として描かれた新作のポートレイトが収録されている。
最近の絵画作品において、花は気に入りの主題となっている。Katzはポートレートに咲き乱れる花々がもたらす躍動感に目を留めた時から花そのものに導かれ、花を鮮やかに色づける光や情調を直に捉えるために自然の中で制作してきた。花のシリーズにおいて特に目に入るのは、その注意深い丁寧な筆のストロークや、平面的な塗りの面であるが、中でも最初の一筆が乾く前に最後の一筆を描ききる「ウェット・オン・ウェット」という巧緻な手法は見どころ。さまざまな工夫により生み出された臨場感溢れる作品を楽しめる一冊。



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