Noosphere

ベルギーの写真家でありアーティストでもあるGauthier d'Ydewalleの記念すべき初出版。作者は文学や哲学、詩的作品のとても奥深く計り知れない本質を転写、解釈、統合する手法として写真を採用している。タイトルである「Noosphere（人間の思考の圏域）」は哲学的概念を表す言葉であり、ギリシャ語の「νοῦς（nous, ヌース、精神・思考）」と「σφαῖρα（sphaira, sphere、球・空間）」をかけ合わせて作られた混成語。作者の作品は「νοῦς」を内省的思考、「σφαῖρα」を目まぐるしく変化する現代社会と捉え、思慮深い内省の重要性を説くと同時に、改めて書物の持つ生きた本質について強調している。右に写真、左に解説文という構成で収録されており、文学と写真とが織り重なって生まれる理解と表現は新境地を切り拓いている。

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