Good Sick

ヴィジュアルアーティストのJordan Baumgartenが、2012年冬から2017年春にかけて、フィラデルフィアのケンジントン地区を撮影した写真をまとめた作品集。
タイトルの『Good sick』は、ヘロインを注射した際に伴う吐き気を表すスラングに由来する。世界最悪の薬物蔓延の現場となっているケンジントンでは、ドラッグの売買や使用が路上で平然と行われ、警察による取締りもほとんどない。そのような光景に衝撃を受けたBaumgartenは、この地域を理解しようと現状にカメラを向けることにした。
本作は何の変哲もない日常生活の一コマから、貧困や薬物乱用を物語る衝撃的なシーンまで様々なイメージを並べることで、混沌とした世界をあてもなくさまよっているような感覚に陥る一冊になっている。